障がいのある息子の高等部卒業後の進路

子どもが高等部を卒業して社会に出ていくとき、大きな過渡期を迎えます。

卒業後の選択肢 

《一般企業への就職・障がい者枠での就職》…障がい者枠での就職になると、障がいに配慮した仕事や作業となるため、給料は低くなることがあります。

《社会福祉施設への通所・入所》…日中活動事業のみ利用は「通所」となり、施設入所支援や居住支援事業を利用する場合は「入所」となります。

  • 就労移行支援事業所 一般企業等での就労を希望する人が就労に必要な知識や能力向上の支援を受けます 利用期間原則2年 工賃・給料は発生しません
  • 就労継続支援A型 B型よりも一般就労に近く利用者と事業所の間に雇用契約がある。利用期間に期限がない。
  • 就労継続支援B型 雇用契約はないが工賃は発生する。A型よりも軽作業であることが一般的
  • 生活介護事業所 日中の生活介助や介護のサポートをする

高等部3年間で何度も職業実習があります。職場の規模・場所・職種様々な職場体験をします。高等部一年生から将来をイメージしながら、職場体験に臨むことが必要です。3年間はあっという間です。

一般企業の障害者雇用枠か福祉施設が迷います。それぞれにメリット・デメリットがあります。

  • 一般企業の障がい者雇用枠…給料が福祉施設より高く、福利厚生の仕組みもちゃんとしている。いろんな人と交わることで世界が広がる。仲間ができずに孤立しないかは心配なところ。
  • 社会福祉施設…障害者年金と工賃の合計が10万円前後になることが多いので、工賃だけでの自立は難しいと思われる。仲間ができやすい。施設長の理念で施設全体の雰囲気が決まることが多いので、どういう思いで運営しているのかしっかり話を聞くことが大切です。地域に根付いた活動をしていることが多いので、地域のボランティア活動など、保護者の参加が求められることもある。

「工賃が月額10万円ほどです」というところは「仕事は厳しいです」とはっきり言われました。仕事なので多少の厳しさは覚悟しなくてはいけません。

子どもの進路に親の意向が影響する

障がいのある子どもの、進路を選択する場合、親の意向がかなり影響します。親の子育ての軸によって子どもの置かれる環境がすごく変わります。

  • 世の中は厳しい。厳しさに負けない人間になってほしいので、一般企業の障害者雇用枠で働くことを選んだ親
  • 職場で辛い思いをするとかわいそうなので、働きに行かなくていい。デイサービスで日中過ごすことを選んだ親

どちらが正しいということは言えません。どちらの親も今の状況にほぼ満足しています。

できれば最終決定は本人にしてほしい

私の考えの軸は「守られるところは守られなくてはいけないが、やはり自分でお金を稼ぎ、自分の力で生きていると実感して人生を歩んでほしい」ということでした。

子どもの性格や性質を考慮し、高等部の先生と相談して息子に合いそうなところを職場実習させてもらいました。

息子の場合は次の条件を元に実習先に選びました。

  • 同世代の仲間がたくさんいるところ…友だちが欲しい性格
  • リクレーションなどの課外活動があるところ…お祭り的なものが大好き
  • ムリなくできる作業があること…手が不器用なので、息子でも無理なくできる作業がある

出来れば最終決定は本人にしてほしいと思っていました。条件だけでない本人が肌で感じる心地よさを一番に重視したいと思いました。

本人が最終決定した福祉施設事業所に勤めて今年で10年になります。初めは怒られてばかりいた作業が今は一番自信のある作業となり、後輩に教えられるくらいになりました。

もちろん本人は頑張りましたが、いつも支えてくださっている職員のみなさんに感謝です。

      

 
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