障害児の母親になって思っていること ②

障がいのある子の兄弟を「きょうだい児」として言うらしい。最近できた言葉なのかな。

長男に障がいがあるということで、「姉と妹がつらい思いをするのではないか」と考えたことがないわけではない。しかし、多少嫌な目にあったかもしれないが、娘たちは長男のために人生の中でなにか我慢したり、諦めたりしたことはなかったように思う。

ただ、障がいのある兄弟がいることで、「娘たちの結婚に影響を与えたらどうしよう」という不安はあった。

世の中にはいろんな人がいるから、家族に障がい者がいたら、結婚したい相手の親に反対されるかもしれないという心配は常にある。「そんな家族、こちらから願い下げだよ!」と強気にいければいいけど、それで娘がつらい思いするのは耐え難い。

そして逆を考えて、結婚相手に障がいのある家族がいて娘たちが苦労するなら、私でも反対するかもしれない…と思ったりもするからだ。

その不安を少しでも減らすためには、娘たち自身がしっかりした、学力や生活力をつけ、本人たちが魅力ある人間に成長することが大切だと考えた。「もっと立派なおねえちゃん、おにいちゃんがよかった」という末娘に「仕方ないから、自分だけで勝負できる人になってね」と言ったことがある(笑)

そして、長男もできる限りの自立を目指した。高等部を卒業すると、障害福祉サービス事業所で働き、工賃を得て、自分の欲しいものは自分の働いたお金で買えるようなった。働き始めて6年目には事業所が新設したグループホームで生活し、身の回りのことはずいぶん自分でできるようになった。何より家族と離れて生活できていることはとても大きいことだ。

長男自身が、物理的に経済的に自立することによって、兄弟への負担も減る。

息子はグループホームの使用料は障害者年金で賄っている。療育手帳取得により、医療費は無料だ。携帯代や本人の遊びに行くお金やおやつ代は仕事でいただく工賃で支払っている。

今日YouTubeを見ていたら、コメントで「税金のムダづかい」と言われた…と自閉症の子のママが嘆いていた。なんともひどいことを言う人がいるものだ。

たしかにウチの息子も税金でお世話になっている。しかし私も息子の御先祖さまもずっと日本で暮らしてきて、たくさん働いて税金納めて、今までも誰かを助けてきたかもしれない。今度はウチの子の番になっただけで、何も悪いことはしてないし堂々と国のお世話になります。

税金を悪用している事件が日々続出している。障がいのある人・本当に困っている人に税金を使うのは税金の正しい使い方であって、とがめられることは何もない。そういう無神経な言葉を人にぶつける前にもっと勉強してほしい。

そしてユーチューバーのママも言っていたが、福祉を受ける側の人間になって、関わってくれる人の優しさやあたたかさが、ありがたくてたまらない。私は息子を育てるうちにたくさん感謝できる人間になっている。

にほんブログ村 にほんブログ村へ
にほんブログ村 にほんブログ村 家族ブログ 障がい者のいる家族へ
にほんブログ村

Follow me!

PAGE TOP
タイトルとURLをコピーしました