グループホームで暮らしている、知的障がいのある31歳の息子とは、毎朝リモートで勉強会と称して、本の「音読」をしている。
子どもの頃から、言葉の発達が遅れていて、今も発音が悪い。職場の友だちとの会話が弾まないことを悩んだり、人に伝わらないことをもどかしく感じたり…本人なりに悩んできた。
「ちゃんと産んであげられなかった」ことを申し訳なく思っても、どうすることもできない無力さをそのたびに私自身も感じ胸が苦しくなった。
しかし、私が、落ち込んで、息子に謝ったところで何の解決にもならない。私はとにかく息子にいつも明るく元気でいてほしいと願っている。
そこで、
毎朝、お母さんと勉強会しない?
と、提案してみた。
いいよ!
子ども用のドリルを買ってきて解いたり、好きな歌の歌詞を読んだり、そして、今は「1分おんどく」という本の1ページを5回読む練習をしている。
かれこれ3年くらい続けているが、この「朝の勉強会」によって、息子の言葉の力がついたということも、発音がよくなったということもない。それでも淡々と続けることのできる力がすごいと思う。
彼は、毎日まじめに仕事に行き、週末は仲間とスポーツをし、たまに家族と食事に出かけたり、カラオケで盛り上がったりする生活を楽しんでいる。
日常生活は、職場の職員さんやグループホームのスタッフに支えられながら、立派に暮らしている。
息子のことも褒めてあげたいが、支えてくれているたくさんの人に感謝せずにはいられない。人の手助けがなければ、息子も私もこれほど、穏やかに暮らせていないだろう。
息子を育てて、私は人に感謝できる人間になれた。そして、他の人から見たら意外かもしれないが、私も息子もとても幸せである。
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