年末が近づくと何枚かは届く、「喪中につき年頭のご挨拶は失礼させていただきます」のはがき。
きのうは高校からの友だちKちゃんからお父さまが亡くなられたというはがきが届いた。何年か前にご両親で介護施設に入所されたと聞いていたが、友だちのお父さんの訃報も寂しいものである。
高校時代に出会った3人の友だちは、賢くてなかなかの個性派たち。よく、私なんかと仲よくしてくれたなぁと今思うとありがたい。彼女たちからいつも刺激を受けていたし、何なら今も受けている。
一人娘でご両親に大事に育てられたKちゃんは学生の頃は文学少女だった。しかし、30代後半から、医療の方に進み、今は講師として学生を教えているというのだ。彼女にはいつも驚かされる。「お嬢さま」だと思っていたのに、ほんとうにたくましく生きている。
Kちゃんのはがきを見て、「赤毛のアン」が読みたくなった。高校時代、私たちはみんな「赤毛のアン」が大好きだった。早速、図書室で借りてきた。
久しぶりに「赤毛のアン」の本を開くと、馴染みのある文章・・・「これこれ、懐かしいな~」と読み進める。レイチェル夫人やマリラは昔から知っている、親戚のおばさんのような存在。
しかし
男の子をひとりもらおうってことにしたんですよ。マシュウも年を取ってきたし―もう六十ですからね~。
えっー!マシュウって六十歳だったの?もっとおじいさんかと思っていたのに、いつのまにか私は、マリラの年も越えてマシュウと同じ年になっていたんだな。いつまでも自分は『アン』側として、物語を読んでいたが…
そう思うと一気に物語の見え方が変わってきた。
でも、どこよりも、孤児院が一番イヤだったわ。おじさんは、孤児院で育ったことがないから、どんなものか、きっとわからないと思うけど。
というセリフには、今、親に甘えるだけ甘えている孫を思いだし、幼い無邪気な時期に孤児院で育てられるなんて、こんな可哀そうなことってあるだろうか…と、胸がしめつけられた。
マリラに男の子が欲しかったと言われて、
あたしが欲しくないんだ、今まで、誰も、あたしをほしがった人はなかったんだもの。
というところは、辛くて辛くて、涙が出た。11歳の子どもがこんな経験をしなくてはいけないなんて残酷すぎる。
「こんなに辛い物語だったっけ?」まだ、初めの二章でこれほど、辛いのだから、最後まで読めるだろうか…とちょっと心配になってきた。あの頃は、魅力的な少女のアンに憧れて、ワクワクしながら、読んだのにな。
そういえば、この物語の終わりにマシュウは死んでしまうのだった。悲しい(涙)読むのやめようかな。
喪中のはがきが届く11月には、年々届く年賀状が減っていくことを思って、「今年の年賀状はどうしょうかなぁ」と迷っている。
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