【障がいのある息子の子育て】迷走していた幼少期

早期胎盤剥離により酸欠で生まれた長男

妊娠35週目…前日、産婦人科にいくと

おなかの赤ちゃん、体重の増え方が少ないですね。まぁでも35週で2000gはあるので、あとひと月ありますから…

先生、腰が痛いんですが…

まだ、産まれそうではないですね。また何かあったら来てください

その日は自宅に帰って様子を見ることになりました。

あくる日になっても腰の痛みが治まらず、どんどん痛みがますので、タクシーで産婦人科へむかいました。

おなかの中で出血しているようです。早期胎盤剥離だと思われます。すぐに手術しましょう。いつ食事をとりましたか?

30分前です

では、麻酔はかけられませんね

怒る女
 

えっーーー!

胃の中に食べ物があると、麻酔をかけると逆流して窒息する恐れがあるらしい…それから手術室で看護婦さんに抑えられて「切腹!」

最後ホッチキスでパチンパチンお腹を閉じるところまでしっかり意識がありました。

早期胎盤剝離とは、胎盤が20週以降に剝がれてしまうことです。性器出血や激痛で、ショック状態を起こすこともあります。胎児が成長しなかったり死亡したりすることもあります。母親も子どももとても危険な状態になります。原因についてもはっきりわかっていないようです。

当日の私の症状は「腰痛いけど、陣痛ほどではない」という程度でした。

最初の出産は安産でしたので、なぜ2番目がそうなったのかは、未だに不明です。ただ、妊娠中に家の建て替えをしたので、夜中荷造りをして、身体を無理したと思います。そして3週間ほど前に父が亡くなったことによる精神的ショックもあったかもしれません。

どちらにしても、おなかの中の赤ちゃんには良い環境じゃなかったのだと思います。

今では妊娠中は大事にし過ぎて悪いことは何もないと思い、娘や知り合いには絶対に無理してはいけないよと伝えています。

息子は2200gの酸欠状態で産まれました。看護師さんには2人とも危なかったんだよ…と言われました。

2人の命が助かったことにただ感謝です。

息子は救急車で県立病院に運ばれ、2か月弱保育器で育てられました。

すべてがゆっくり成長の赤ちゃん

抱っこしたときに身体が反りますね。もしかしたら、何か障がいが残るかもしれません

歩けないというようなこともあるのですか?

それはわかりません。これから療育センターに通ってください

それでも可愛いしそれほど深刻に心配はしていませんでした。

首の座りも4か月・ハイハイは8か月・離乳食の食べ方が悪かったので、7か月の早めの断乳。反りもあまり気にならなくなり、1歳3か月で歩けるようになりました。

言葉が遅い・興味がせまい・てんかん発作

他の子どもと比べて物への興味がせまく、2歳を過ぎても意味のある言葉がでませんでした。

そして、3歳の時にてんかん発作がでました。「障がいがある子なんだ」この頃から私は焦りだしました。

そこから、私の「息子を普通の子に近づける抗い」が始まるのです。その抗いは彼が中学校に入学するまで続きます。

幼児期・児童期に通った教室やカルチャースクールとその効果について

4歳…上の子が通っていた私立幼稚園が受け入れてくれました

6歳…地元の公立小学校普通学級に通う。国語と算数だけ特別支援学級へ通級

10歳(4年生)…本人の希望で通級ではなく特別支援学級に席をおく

知的な遅れや運動能力において同級生との差が大きくならないように、様々な塾や教室に通いました。その内容と効果

療育センター(公立病院内)保険医療としての診察代のみ運動療法士による運動能力を高める・立つ・歩く訓練〇…運動療法士による指導
言葉の教室(市の保健センター)無料市の保母資格のある職員による言葉の練習・地域の情報交換・母親への育児サポート〇…子どもにというより親の精神的サポートになる
言葉の教室(地元の総合病院内)保険診療言語療法士による言葉の訓練△…月に3回ほどで効果が感じられない
七田チャイルドアカデミー月謝約14000円+教材代七田式幼児教育△…教育法がユニークで子どもが楽しそう。月謝が高く親の負担が大きい
ヤマハ音楽教室月謝約6000円鍵盤楽器が脳に良いかと始めてみた△…本人にとっては負担しかなかった。結局2年もやっていたのに「ド」の位置さえ覚えなかった
地域の体操教室無料地元の学校の体育教師による器械体操教室〇…子どもが楽しんでやってたが、期間が短くすぐに終わってしまって残念
有名スイミングスクール月謝約4000円生徒数が多く地元では信頼感のあるスイミングスクール×…息子には厳しすぎて怒られてばかりいた。
お遊びのプール月謝約3000円泳げることより楽しくプールで遊ぶことを重視したスクール◎…楽しく通い泳ぎも上手になった
公文式教室月謝2教科約12000円国語と算数を習う◎…高等部まで学習を続けそれなりに本人の自信になっている
地域の卓球教室無料地元のボランティア指導者による卓球教室〇…卓球は全然ダメだったが指導者がいい方だったので楽しく通っていた
合気道教室月謝約4000円円本人が見学に行って是非やりたいといったので始める×…優しい先生だったが毎回読まされる『合気の言葉』が覚えられずすぐに行くのを嫌がりだした
平成10年~平成23年頃

教室などから与えられる親への課題や子どもへの宿題もすべてきちんとやりこなしました。

子どもの本当の思いを受け止める難しさ

わが子が成長するにつれ、学力のおくれのような目に見える問題をつきつけられても、まだ何か「障がいを治す」特効薬があるのではないかと足掻いていました。初めての子育てだから、それは仕方ないですが、そのせいで子どもに負担をかけていることもあります。

4年生の夏休み前、普通学級に通い国語と算数だけ特別支援学級に通級していた息子が「ひまわり学級に行きたい、時々行くんじゃなくて、朝からランドセルをもってそのまま行きたい」と言ってきました。

私が無理矢理、普通学級に入れていたのです。辛い思いをしていることに気づかないでいました。言葉で表現するのが苦手な息子は毎日しんどい思いをしていたのでしょう。これは受け止めなくてはと思いました。学校に相談してすぐに対応してもらいました。

良い先生との出会いは将来にわたる財産

障がいは個性…息子が出会った先生方はそう言って子どもの良いところを見つけて伸ばす指導をしてくれました。同級生に意地悪されたりイヤなこともあったはずなのに、大人になって話す学生時代の思い出は楽しい思い出ばかりなのは、先生方が大切に育ててくれたからです。

障がいは個性という面もありますが、生活するうえではやはり取り扱い注意の困ったちゃんであることが多いのです。療育支援を受けている時点で「普通の子」と区別されるのは仕方のないことです。

母たちの葛藤

取り扱い注意の困ったちゃんの育児。どのお母さんも本当に頑張っています。不安はもちろん、無力感に襲われたり、自分を責めたり。きっと何度も何度も一人で泣いています。

子どものことが可愛くて心配なあまり、無理をさせていました。[こんなお子ちゃま番組ばかりっ見てちゃダメだ]と叱ってみたり、「こんなこともできないと大人になったら困るんだよ」と言って子どもを責めてみたり。今思えば、私のエゴ以外の何物でもありません。

この子はこのままでいい

ずっと「息子を普通の子の近づけよう」と抗ってきましたが、中学入学あたりから急に力が抜けてきました

この子はこのままでいい!

心からそう思いました。それはどんな子を育てていてもある時、理想が崩れるような感覚でしょうか。

考えてみれば、誰もが世界に羽ばたけるわけではないのです。羽ばたかなくていいのです。その子なりの場所をみつけて穏やかに笑いながら暮らしていければいい…いい意味での諦めです。

それ以降、親としての私の役目は「息子を普通の子に近い子に育てる」ではなく、「このままで笑顔で生きていける場所を選ぶ」に変わっていきました。

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